食道裂孔ヘルニアの症状や治療、手術

食道裂孔ヘルニアを治療

食道裂孔ヘルニアとは?

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食道裂孔ヘルニアは非外傷性横隔膜ヘルニアで、胸腔内に胃が飛び出してしまう状態を指します。

 

食道裂孔とは、食道と胃の間で横隔膜を貫通している部分の名称です。
胃の上部が横隔膜から上に飛び出してしまい、胸側に入り込んでしまった状態で、別名「食道ヘルニア」とも呼ばれます。

 

食道裂孔ヘルニアは、胃の飛び出し方によって
・滑脱型食道ヘルニア
・傍食道型食道ヘルニア
・混合型〈滑脱型+傍食道型〉食道ヘルニア
の3種類に分類されます。

 

 

滑脱型食道ヘルニア

滑脱型は最も多く見られるタイプです。胃の上部が真っ直ぐに胸部に入り込み、胃食道の逆流防止機能が働かなくなってしまいます。逆流性食道炎を引き起こしやすくなるケースです。あまり深刻な症状になる事は少ないですが、合併症の併発に注意が必要です。

 

傍食道型食道ヘルニア

傍食道型は、胃の一部が食道裂孔から胸腔に入り込んでしまったもので、飛び出した部分が横隔膜に挟まれる為に、出血や血が巡らなくなったりします。食道裂孔ヘルニアのうち、約1割程度と症例は少ないタイプですが、滑脱型より重い症状を起こしやすい厄介なヘルニアです。


食道裂孔ヘルニアの原因は?

横隔膜は人間が呼吸する為の重要な部分で、非常に強い力が加わっています。
しかし先天的に食道裂孔そのものが緩い方や、締め付ける力が弱い方がいます。

 

こういった方は生まれつき食道裂孔ヘルニアだったり、日常生活の中で何かしらの衝撃を受けて横隔膜ヘルニアになってしまいます。

 

また、加齢によって横隔膜の力が弱くなり、食道裂孔も緩んでしまうものです。
これが原因で食道裂孔ヘルニアになることもよく見られます。
他にも、喫煙者や肥満の方も食道ヘルニアを発症しやすくなります。

食道裂孔ヘルニアの症状は?

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食道裂孔ヘルニアで多く見られる滑脱型の場合は、自覚症状をあまり感じず、前傾姿勢になると胸焼けや息苦しい感じがするという程度です。

 

滑脱型ヘルニアの場合なら、それほど心配する危険性はありません。

 

傍食道型は、横隔膜が胃を挟み込んでしまい、胃が出血して傷ついてしまったり、逆に血液の循環を阻害したりします。
傍食道型は自然治癒する確立が低い事や、合併症を未然に防ぐ為に手術をする事もあります。

 

横隔膜には胃の噴門(胃の入り口)を締め付けて塞ぐ働きもあります。しかし食道裂孔ヘルニアになってしまうと、噴門が横隔膜の上にはみ出してしまい、噴門の機能が正常に働かなくなります。

 

そうすると胃酸が食道へと逆流してしまい、食道に損傷を与える逆流性食道炎を併発してしまったり、食道癌や噴門癌の原因になったりしてしまいます。

 

食道裂孔ヘルニアはヘルニアそのものの症状よりも、ヘルニアが原因になって引き起こされる合併症の方が脅威となります。

 

高齢者よりも若い人の方が胃酸が多量に分泌されることから、若い人ほど症状が

  深刻になる傾向があるので注意が必要です。

食道裂孔ヘルニアの治療法は?

食道裂孔ヘルニアの治療は、保存療法が主に用いられます。胃酸の分泌を抑える薬を使用したり、腹圧の上昇に注意を払います。

 

また、肥満や喫煙習慣も食道裂孔ヘルニアの原因として考えられるので、生活習慣も見直しも視野に入れる必要があります。

 

しかし食道粘膜内にビラン(※)や出血が発見された場合は、手術が必要になります。飛び出してしまった胃を正常な位置に戻し、拡がった食道裂孔を縫い縮めます。逆流性食道炎を防ぐ為に、胃の上部を食道に巻きつける噴門形成術も行われます。

 

昔は腹部や胸部を切開しての手術が行われていましたが、医療技術の発達によって最近では細長いカメラや手術器具を使用しての手術が可能となりました。

 

その為、手術跡が小さな傷が残るだけになり、痛みも少なく患者さんの術後の回復も早くなったというメリットが生まれています。

 

※ビラン・・・皮膚や粘膜の表面にできた小さな水疱や、膿胞が破れて細胞液が出て
        ただれてしまった皮膚異常の状態。

 

 

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